ウイスキーのラベルって、英語で書いてあって何が何だか分からない…。そんなお悩みを抱えるあなたに、ここだけ押さえればボトル選びがもっと楽しくなる!というボトルの見かたをご紹介します。

ラベルにかける想い

たかがラベルと思って侮るなかれ。銘柄を飾るだけでなくデザインも含めて作り手のこだわりが詰められています。それだけでなく、生産地の法律で記載が義務付けられているものもあります。例えば日本の場合は、製造場所・容量・品目・アルコール度数は絶対に記載されなくてはいけません。

一般的には四角いラベルが張られているボトルを見ることが多いですが、よくよく見てみると特徴的な形をしたラベルもあることに気づきます。例えばジョニー・ウォーカーは絶対に斜めに張られていますね。24度の傾きで張られていることは大変有名で、一目見ただけでジョニー・ウォーカーだと分かるようにこのような工夫がされています。

生産当初から同じずーっと同じラベルを張り続けるということでもなく、時代時代に合わせてデザインが刷新されるものもあります。

バーボンの場合

ワイルドターキーのラベル

①銘柄

生産者にとっても消費者にとっても一番大事なのがこの銘柄です。買うときにここを見ない人はまずいないでしょう。バーボンの場合は多くがブレンデッドウイスキーのため、ブランド名がつけられます

②品目

原産地やその他の情報が分かります。ワイルドターキーの場合では、ケンタッキー州で作られたウイスキーであることが分かりますね。ストレートというのはバーボンウイスキー特有の称号のようなもので、2年以上熟成されていればストレートウイスキーを名乗ることが出来ます。

「え?2年だけ?スコッチとかだと12年なんて見かけるけど短くない?」と思われたでしょうか。バーボンの場合は原料としてトウモロコシを多く含んでおり、モルトウイスキーよりも熟成が早く進みます。そのため熟成年数が浅くても質の高いウイスキーが出来上がるのです。熟成年数が浅いから美味しくない、ということでは決してありません!

③創業年

ワインとは異なり、ラベルに書かれた年号は創業年を表しています。ワイルドターキーの例で言えば、1855年ですね。さまざまなボトルを見てみると、現在でも名高い銘柄は1800年代に創業されたものが多いことに気づくかもしれません。これは18世紀のアメリカ独立戦争を機に一気にウイスキー隆盛時代へと突入したためです。その後には禁酒法による暗黒時代もありましたが、禁酒法があったからこその黄金色のウイスキーが誕生したりと、紆余曲折あり今も親しまれているウイスキーが出来上がったんですね。

④アルコール度数・容量

アルコール度数と聞くと一般的には〇%という表記が思いつくかもしれません。バーボンの場合は少し特徴的で、プルーフという単位が使われています。アルコール度数1%=2プルーフですので、ワイルドターキーの場合では81プルーフという記載があります。

スコッチウイスキー等

バランタイン12年のラベル

①銘柄

バーボンに限らず当然一番目立つ配置がされているのが銘柄名です。スコッチウイスキーにはシングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーがあり、シングルモルトの場合は蒸留所の名前が、ブレンデッドの場合はブランド名が付けられます。

シングルモルトで蒸留所の名前が銘柄名になる場合は、さらにどこの地域の蒸留所なのかを後述する品目の部分に記載することが義務付けられています。地域によって大まかに風味が特徴づけられているので、どんなウイスキーを飲みたいのかで迷った時は、産地から選んでみてもいいですね。

②品目

生産地に加えて、シングルモルトなのかブレンデッドなのかが記載されています。ウイスキーの銘柄名からだけではどこのウイスキーなの?と悩んでしまうかもしれません。そんな時は銘柄名の少し下を見てみましょう。これでもうウイスキーを選ぶときに都度スマートフォンに打ち込まなくてもよさそうですね。

また、原料としてライ麦を多く使っていたり、熟成にどんな樽を使っているのかという情報も併せて記載されています。お気に入りの銘柄が見つかったら、その銘柄の味を覚えているうちにオリジナルから派生したシリーズに挑戦してみると、違いを楽しめること間違いなしです!

③創業年

上のバランタイン12年の例では創業年の記載はありませんが、バーボンと同様に創業年を印字する銘柄も多くあります。スコッチウイスキーはバーボンよりも誕生が早く、17世紀にも広く普及していました。今でこそ世界的にメジャーなお酒になっていますが、17世紀当時は「ローカルだけで楽しまれる地酒」という印象が根強かったとされています。

一説によると、飲みづらいシングルモルトウイスキーでも混ぜてしまえば飲みやすくなるんじゃないかな?という発想のもとで生まれたブレンデッドウイスキーが大衆の人気を呼び、世界中に広まっていったようです。

④熟成年数

スコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーは、樽に詰められてからの熟成期間をラベルに印字することがあります。一般的に熟成年数が増えれば増えるほど、ウイスキー特有の”アルコール感”が減り、よりまろやかでコクのある味わいになるとされています。

ブレンデッドウイスキーの場合は熟成年数は何年になるの?と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。ラベルに印字できる熟成年数は、「ブレンドされたウイスキーのうち、最も熟成年数が若いもの」とされています。30年間熟成したウイスキーを何種類ブレンドしようと、12年ものが1滴でも入ればそれは12年ものになってしまうということです。そう考えると、熟成年数の長いブレンデッドウイスキーは、それだけ多くの職人さんの魂の結晶と思えてきますね!

アルコール度数

市場に出回る多くのウイスキーは、大体40%付近のものが多いですね。ラベルをよく見てみると、%表記のあとにvolと書いてあることに気づきます。実はウイスキーのアルコール表記は国によって違うのです。単にvol(Volume:体積に占めるアルコールの割合)で表記する国もあれば、ABV(Alcohol By Volume)とする国もあります。

ラベルの見かた まとめ

どんなウイスキーを飲んでみたいかにもよりますが、初めての1本をお探し方は、

  1. ブレンデッドであれば熟成年数が12年以上のもの
  2. シングルモルトであればハイランドorスペイサイド
  3. ライ麦を選ばない

この3つに沿ってラベルを見て回るといいでしょう。ブレンデッドは比較的まろやかで飲みやすいものが多く、シングルモルトでもハイランドかスペイサイドにはいわゆる”正露丸の香り”があまりしないものが多いです。ライ麦は大変スパイシーなため、初めての1本にはお勧めしません。ただハイボールでカラッと飲みたい!という方にはいいかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか。銘柄によってラベルのデザインは大きく異なりますが、絶対に表記されているものだけでも押さえておけば、ウイスキー選びの時のヒントになるはずです。

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