日本のウイスキーも世界5大ウイスキーの中の一つに数えられ、世界的にも一目置かれています。その中でもローカルで生産されるクラフトウイスキーが注目を浴びつつあることをご存じでしょうか。
地元のお酒やクラフトと聞いた時には日本酒やクラフトビールを想像される方も多いかもしれません。今回ご紹介する「あかし」は、その名の通り兵庫県明石市の醸造メーカーから出されている日本の地ウイスキーです。
兵庫県と言えば日本酒が非常に有名ですが、こちらのウイスキーはいかがでしょうか。日本のクラフトウイスキーとしては初めてのレビューとなります。
基本情報
明石とあかし
兵庫県の醸造メーカー、と聞くとどうしても真っ先に思いつくのは日本酒かもしれませんね。灘のあたりは非常に有名な日本酒が多いので、私もその印象があります。
この「あかし」は灘よりは西側に位置しておりますが、この明石市のあたりもお酒造りにおきましては非常に歴史のある町となっているようです。
酒米や水質に恵まれていることもあり、お酒造りが盛んにおこなわれるようになったのは、なんと今から300年ほども前、江戸時代のころからだそうです。
ジャパニーズウイスキーのシングルモルトで有名な竹鶴や山崎も、水がきれいな土地に蒸留所がありますね。ウイスキー作りにおいても水のクオリティは求められるところで、美味しい日本酒が作れるような水があるというのは大きなメリットになるのでしょう。
また兵庫県明石市の位置からして、ドライブ旅行の時にはちょうどいい場所にありますよね。関西から出かけるとしたら、岡山に行くとしても少し足を延ばして四国に行くとしても、明石で一休みしたくなるものです。
ドライブ旅行中に立ち寄る道の駅には多くの地酒が置かれていることも多く、ドライブ中にも飲めたらいいのになあなんていつも思っています。こればっかりは我慢、仕方ないですね。
「あかし」という銘柄を販売しているのは、江井島酒造という会社で、ウイスキーのほかに日本酒を数多く販売しております。ラベルの感じからも日本酒を想起させられますし、大和魂の込められたウイスキーとして期待できますね。
海外由来の原材料と日本酒メーカーのノウハウ
日本の地ウイスキーということですが、原料となる麦芽はスコットランドからの取り寄せであり、熟成に使用する樽もアメリカンオーク製のシェリー樽やバーボン樽が使われています。
味わいについてはこの後ご紹介しますが、海外製の原材料を使用しても非常に軽い飲み口なのが面白いです。
日本酒メーカーとしてのノウハウが込められた、グローバルで独特なウイスキーといえるかもしれませんね。
レビュー
それでは晩酌としていただきます。私個人的にも日本のクラフトウイスキーでは初めて。楽しみです。
どんな香り?
まずはストレートから。
ほんのりとチェリーのようなさわやかな甘さを覚えました。この価格帯のウイスキーでは多くの場合アルコール感を思わせる香りもあるのですが、そういったものは一切感じませんでした。非常に飲みやすそうな香りです。
スモーキーさは一切なく、ウイスキー独特のクサさが苦手な方でも挑戦しやすいですね。
ロック、そして炭酸割りにしてみます。
非常に軽い香り、と言いますかストレートの時に感じられた爽やかな甘さもかなり薄まってしまい、およそ香りと呼べるものはほとんどなくなってしまう印象です。
香りも含めて楽しみたいという方はシングルモルトスコッチなどを召し上がるでしょうし、サクッと食事中にも飲めるウイスキーが欲しいという方からしたら大きな欠点にはならないかと思います。
どんな味わい?
ストレートから飲んでみます。
香りのところでも触れましたが、アルコール感はほとんど感じず、はちみつを薄く伸ばしたような軽くて甘い味わいを覚えました。後味はそこまで残らず、すっきりとした甘さといった印象です。
老若男女問わず楽しめる甘さかもしれませんね。クサさがないのは当然かもしれませんが、アルコール感をあまり感じなかったのには驚きました。
続きましてロックで飲んでみます。
意外にも、アルコール感を覚えました。ストレートの時に感じられたような甘みだけが薄まり、相対的にアルコール感が前面に出てきてしまった印象です。
この価格帯のウイスキーとしては、ストレートのときにアルコール感が強く、ロックにすることでいくらか飲みやすくなるという特徴があるような経験が多かったのですが、この「あかし」に関しては逆でした。面白いですね。
炭酸割りでいただきます。
この銘柄に特徴的な甘さも薄まってしまいますが、ロックの時に感じたアルコール感も薄まるので、非常に飲みやすいです。むしろ危険なくらい。二次会でサクッと注文するサワーのようにぐびぐびイケてしまいそうです。
ウイスキーならではのプロファイルとして、加水によって味わいが薄れてしまうというのは少し惜しいポイントなのかもしれませんが、食事と合わせてウイスキーを楽しみたいという方にとってみれば、ここまでワイルドカード的なウイスキーも珍しいと思います。
日本酒醸造メーカーだからでしょうか、ハイボールという名の「非常に軽い甘さが残ったスパークリングリキュール」といった感覚で、焼肉や唐揚げといったオイリーな料理はもちろんですが魚料理ですら合うと感じます。
おすすめの飲み方は?
ストレートもしくはハイボールをお勧めします。
ストレートでウイスキーに挑戦してみたいという方は少なくないと思いますが、その中でも練習(?)に非常にいい銘柄と思います。
良くも悪くもにはなってしまいますが、ストレートでも飲み口が非常に軽いので、一口飲んだだけであとは飲めないー、というリスクも減らせるのではないでしょうか。
ハイボールももちろん素晴らしいですね。日本の居酒屋でハイボールを注文すると、多くの場合はトリスか角瓶かジムビームあたりですよね。もちろんそれらも非常に美味しくて魅力的なのですが、この「あかし」のように軽い飲み口のハイボールがあったら皆注文を止められなくなるのではとすら思います。
みんなのレビュー
それでは、各種ECサイトで購入されている方のレビューも見てみましょう。
香りや味はかなりすっきり目。どぎつく香るほど甘い香りや、つーんとくる強いピート香といった、はっきりと尖った部分は有りません。
滑らかなアルコール香やふわっとした香ばしい香りが入っていて、いわゆるスムースな酒です。
樽臭も、辛味も控え目で、総じてマイルドです。
初めてウイスキーを飲む人にもオススメしやすいです。
それでいて、飲んだあとのコクはしっかりあります。
お買い得なプライスでありながら、変な雑味はしません。
その点からして、コストパフォーマンスが素晴らしく高いウイスキーだなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ジャパニーズウイスキー、なかでもクラフトウイスキーの中からあかし(赤)をご紹介いたしました。
ストレートでも炭酸割りでの軽い飲み口を楽しむことが出来ますし、魚料理にも非常に合うと思われるリーズナブルな銘柄です。
皆さんの素敵なウイスキーライフのヒントになりますと嬉しいです。