製造工程は5ステップ!

なんだか難しそう…

全然そんなことないよ!STEP.3まではビールとほぼ一緒だしね♪
今回はモルトウイスキーを中心に見ていこう~

STEP.1 発芽(麦の芽を出す)

ウイスキー作りは大麦を発芽させるところから始まります。伝統的な手法としては、広い部屋に大麦を敷き詰めて人の手で混ぜながら空気にさらしていくというものが知られています。大体5時間~6時間ほどに1回休まず撹拌しなければならず、とても大変な工程です。(現在では効率性や衛生面の観点から、ほとんど機械化が進んでいます。)

ここで発芽した大麦すべてを使うわけではなく、職人さんが選別しながら選りすぐりの大麦麦芽を使って、ウイスキーが作られていくんですね。選りすぐりの大麦麦芽を乾燥させる工程で、炭を焚いて乾かしていきます。この時に使われる泥炭(ピートと呼ばれるもの)がウイスキー独特の”ケムリくささ”になっていくのです。

どうして発芽させるの?

酵素を増やすためだよ。この酵素によって糖分とアミノ酸が増えるんだ。
そしてこの糖分とアミノ酸がアルコールを作るために必要なんだよね!

STEP.2 糖化(麦汁を取り出す)

乾燥が終わった大麦麦芽はまず粉々に粉砕されます。その後に温水と混ぜられて糖分たっぷりの麦汁を絞り出します。正確には、発芽で増えた酵素がでんぷんと反応して麦芽糖という細かい糖分になっています。

STEP.3 発酵(アルコールを作る)

糖分たっぷりの麦汁が出来上がったら、いよいよ酵母を加えて発酵していきます。この酵母が糖分を食べる代わりにアルコールを作り出してくれるんです。また酵母の働きはそれだけではありません。酵母は他にも炭酸ガスやエステル類を生成することで、独特な香りや味わいを作り出してくれています。また死滅した時ですら香味のもととなる成分を放出してくれるという、なんともウイスキー作りに身をささげてくれている頼もしいやつらなんですね。

ちなみにウイスキー作りの場合は麦汁をそのまま発酵するけど、ビール作りの場合は一度麦汁を煮沸するよ。ここからはそれぞれで違う道へ進んでいくんだね!

STEP.4 蒸留(アルコールを濃縮する)

蒸留前の発酵液は、アルコール濃度が大体10%弱です。これを蒸留によって濃縮していきます。水の沸点よりもアルコールの沸点のほうが低いため、加熱することでアルコールだけを分離できる、という仕組みですね。

ウイスキーを製造している場所のことを「蒸留所」というのはご存じでしょうか。工場としての名前にもなるくらいですから、いかに大事な工程なのかがお分かりいただけるかと思います。蒸留に使われる大きな蒸留器(ポットスチルといいます)は蒸留所ごとに全く異なっていて、どんな蒸留方式を採用するかによって味わいが全然違ってきます。

蒸留器の形をどうするか、首の角度はきつめかゆるめか、そういった細かい調整にも職人さんたちの熱い思いが込められているんですね。

今でこそ科学技術が進歩してるから安全になってきているけど、昔はとても危険な作業だったんだよ。火をがんがん焚きながらアルコールを濃縮しているわけだからね。

確かに!このポットスチルに欠陥があったら大惨事だ・・・

STEP.5 熟成(寝かせる)

蒸留によってアルコール濃度を70%程度まで高めた後、いよいよ樽に詰めて熟成されていきます。この段階ではまだ白か透明な液体で、不要な香味もたくさん残っています。少し水を足してアルコール濃度を65%程度に下げてから樽詰め。ものにもよりますが、10年~20年、長いものでは30年間も樽で眠らせます。

ウイスキーと言えば琥珀色の飲み物ですが、この琥珀色は樽に詰めて熟成することでつくのです。これも不思議なめぐりあわせで、ウイスキーへの重税と禁酒法が関係しています。1700年ごろのスコットランドでは、ウイスキーへの重税と続く禁酒法が敷かれていました。役人の目を盗んでウイスキーを作るには、樽に隠して作るしかなかったんですね。そこで作られた琥珀色のスピリッツ。これこそが今私たちが想像するウイスキーになったというお話です。

少し脱線しましたね、熟成のお話に戻りましょう。長時間樽の中で寝かせることによって、不要な香味が取れる代わりに心地よいフレーバーが入り込みます。味わいも丸くなり、ウイスキーとして仕上がっていくのです。

細かい話になってしまいますが、どんな樽を使うか、またその樽の木材によっても味わいが変わってきます。職人さんたちは樽の作り方にもこだわりを持っていて、長い年月をかけて研究されているのですね。

まとめるとこんな感じ!

発芽

いい環境で酵素を増やすよ!

糖化

でんぷんを細かくして菌が食べやすくなるよ!

発酵

菌が糖分を食べてアルコールに変えてくれるよ!

蒸留

アルコールを濃縮するよ!

熟成

樽で寝かせてうま味と香りを作るよ!

ボトリング

乾杯!

むぎのコメント

職人さんたち熱い思いを知るとウイスキーがますます楽しくなるね!

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