年齢が上がっていくにつれ、地元の友達や会社の同僚の中からもちらほらと健康についての話題が出てくることが増えたように思います。最初こそ「尿酸値引っ掛かっちゃったよー、やばいな!」なんて冗談まじりで話すことが多かったですが、最近では中性脂肪だとか血圧値といった“ちょっと飲みすぎちゃったかな“の範囲を超えているような状態も耳にします。
お酒だけが犯人という訳ではなく、もちろん基礎的な食習慣や運動習慣を総合的に改善していく必要があるんでしょうが、ことに飲酒と喫煙は真っ先に槍玉に挙げられる嗜好品ですよね。
今回はお酒と健康について、私の考えを書き綴ってみます。学術的な話をするつもりはありません。専門家でもありませんし、その手の解説記事は他に山ほどありますからね。一般的に、身体的な“直接的”影響を考えたときにはお酒のメリットは全くないという認識ではあります。言うなればお酒はネガティブなものであり負債を少しずつ増やしていくようなものだと。
私個人としてはお酒のマイナスの側面を認めながらも、それを上回るプラスの側面を考えたときに、トータルしてプラスになるという意見です。お酒が私たちに与える影響をブレイクダウンして考えてみます。
Tap & Go !
身体への影響
「お酒が体に悪い」という言葉の意味としては、身体的な健康被害のリスクが高まるよ、が大部分を占めているのだと思っています。実際に肝機能は飲酒の影響をダイレクトに受けるわけですし、あくまでも異物であると考えれば否定のしようがありません。
健康診断で指摘されるレベルまで放っておかなくても、日常的にも二日酔いや気だるさを引き起こす原因にもなりますね。結局のところ、「適量で抑えましょう」という話にはなってしまいます。
一方で、人間はロボットではなく感情で生きる生き物でもあります。また同時に社会的な生き物でもありますから、社会との関わりの中で安心感や心の安定を得るわけですよね。「私はここにいていいんだな」という感覚です。そうした多方面からのプロセスも、身体的健康に影響を与えるはずです。
心への影響
あくまでも自分にあった適量の範囲内で楽しむのであれば、という前提にはなりますが、お酒を飲んでいる間はいつもより自分に自信が持てるような感覚がありますよね。学術的に詳細な話をするわけではありませんが、脳内では何か難しいことを達成した時と同じような状態が引き起こされており、そのために高揚感が生まれるわけです。
実体験として、例えば家でドラマや映画を見るときも、お酒を飲んでいる時と飲んでいない時とでは楽しさが違う感覚があります。飲んでいる時のほうがよりシンプルに楽しめているような気がしませんでしょうか?
それも誰かと一緒に、お酒を飲みながら見ていたりしたら相加的もしくは相乗的に面白くなっていくと思うんです。楽しい時間を過ごすための隠し味として、お酒っていいですよね。
社会的繋がりへの影響
新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に飲み会の機会がかなり大幅に削られましたね。そういえばオンライン飲み会、もう全くやっていないな。あれはあれで最初の方こそ新鮮で面白かったですよね。私の場合は高校や大学、会社の同僚らとつないでやっていました。背景画像をタケモトピアノのCM画像にしたり、酔っぱらってくるとくだらない遊びにまで発展して大笑いしていた記憶。
オンライン飲み会の楽しみ方はさておき、お酒が飲めることによって繋がる人間関係も大きいという風に思います。お酒の席でこそ話せることってありますよね。お酒が入ることによって話のテンポが速まったり、普段は少し気恥ずかしいな~と思うような話題であっても持ち出すことが出来たりします。
話を聞く側・返す側も同じで、少し突っ込んだアドバイスをすることが出来たりするわけです。それによって生まれる絆とか信頼関係って大きいと思うんですよね。
もちろんお酒が飲めなくても飲み会の場にいることでコネクションが増えるといえばその通りなのですが、そもそも誘われる機会が減ってしまうということも考えられます。嫌われて誘われないということではなく、もちろん気を使って誘わないというケースが多いとは思いますが。
まったくお酒が飲めない人が、「私飲めなくても飲み会の雰囲気に合わせて楽しめるから」と言うこともありますよね。本当に?と割と思っているタイプです。少しだけリミッターを外してこそ生まれるコミュニケーションって思っている以上に尊いものじゃないですか?
人間的面白さへの影響
お酒も、つまるところ飲み物の一つというわけですから、自分の味覚をもって楽しむことで、経験から生まれる人間的な深みにもつながると思うんですね。
少し意識しながら飲むだけで「あれ、これこの前飲んだ日本酒よりも私好きかも!というか意外と日本酒好きかもしれないし、少しマイナーなやつも試してみようかな」といった具合に、数珠つなぎで新しい世界が広がっていくことだってありますしね。
上で書いたことを一つにまとめていくと、結局のところ人間的に面白くなることにも一役買っているのではないかと思っているわけです。お酒の違いをうんちくとして語れるようになるっていうのもあるかもしれませんが、コミュニケーションの形が変わったり、そもそもの機会が増えたり、楽しい時間がより楽しく感じられるようになったり。
巡り巡って、自分の経験や人生が豊かなものになるツールになり得ると信じています。