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留学開始して3か月経過の現状について
日本もちらほらと初雪が観測されだしてきました。カナダ西部のバンクーバーでも珍しく激しい雪が続き、天候としては東京とほぼ同じといわれるバンクーバーにおいても今年は一面銀世界のクリスマスとなりそうです。
さてカナダへ留学に来てから3か月ほど経ち、生活リズムも落ち着いてきましたので、頭の中を一度整理してみます。
今回は英語力について。私自身は語学力向上も含めてカナダのビジネスカレッジへ留学に来ております。留学3か月経過時点での実際の手ごたえについてはまた別の記事にまとめるとして、ここ最近「英語力って結局なに?」という疑問に対する自分なりの答えが見えてきましたので、それをテーマに綴っていきます。
今日の一杯「Cariboo GENUINE(カナダ)」
カナダビールを飲みながら。今回はPacific Western Brewing社の『Cariboo GENUINE』を頂きます。簡単に基本情報を。
大きさは355mLサイズでアルコール度数は5.5%。日本でも飲みなれたビールという感じですね。カリブーというのは動物の名前でもあり地域の名前でもあります。パッケージにも描かれているトナカイのような動物で、あまりにも豊富に存在していたことからそのまま地域名になったんだとか。
こちらの銘柄はラガービールです。ほのかなモルトの苦味とすっきりとした後味が絶妙ですね。癖がなく飲みやすいです。個人的な印象として、サッポロ黒ラベルを少しまろやかにしたような味わいでした。
キムチや焼き肉、少し辛めの料理と相性がよさそうです。12本ケースで店頭価格は$19ほど。比較的リーズナブルな部類です。次に飲む銘柄にまよったらこれにしよう、の候補ですね。
日常生活で使う英語
3か月間を振り返って、まず自分自身がどんな場面で英語を話していたかをまとめます。
- 空港での手続き
- シェアハウスなどのコミュニティ
- スーパー、コンビニ、カフェなどのショップ関係
- スキー場、床屋、図書館、郵便局などのサービス
- 移民局での申請
- BCID(身分証明書)発行
- 銀行口座の開設と問い合わせ電話
- 採用面接
- 街中での偶発的なイベント
移民など本格的に拠点を移すとなると、このリストには収まらないでしょうが、一般的な生活を送るだけならほとんどこの通りではないでしょうか。頻度の観点から大まかに3グループに分けられるように思います。
頻度高:ショップ、サービス関係
日用品の買い出しやちょっとした娯楽関係ですね。ほぼ毎日のように遭遇するチャンスではないでしょうか。頻度がものすごく高いとはいえ、使う英語といえば本当に中学生で習う英語で事足りてしまう会話がほとんど。
それこそI’d like –. Can you –? Where is –? How much is –?とその後に続く基本的な動詞・名詞さえ知っていれば問題ありません。スーパーや図書館などは、一度勝手を覚えてしまえば会話することなく終了。
美容室や郵便局にはさすがに毎日行くことはありませんが、美容室であれば写真を見せて「こういう感じにしてください」と伝えることができますし、郵便局も大まかに見ればほかのサービス系店舗と変わりません。
ただ「生活する」だけなら、本当に中学生レベルの英語で事足ります。
頻度中:コミュニティや偶発的なイベント
いわゆる雑談。職場や学校で発生するイベントで、話す内容は「今日やったこと」「今の気分」「直近の予定」など、他愛もないことです。まあこれは世界共通でしょうね。
意外にも、街中での偶発的な会話イベントは日本にいる時よりも圧倒的に多いです。日用品のショッピングをしている時、店員でもないのに他のお客さんから「その手に持っているやつ、どこにあったの?」と聞かれたり、スキー場でも「調子どう?」とふいに声をかけられたり。
この辺りは日本との大きな違いだなと感じます。見知らぬ人に声を掛けたら怪しいと思われるかな?と考えがちな日本人と比べて、コミュニケーションを図るときの心理的抵抗が少ないのでしょうか。
とはいえ、使う英単語や文法は高頻度のものとほとんど変わらず、中学生で習うようなレベルのものがほとんど。スラングや砕けた言い回しが増えてくるので、リスニングに関しては少し難易度があがります。
頻度少:口座開設や採用面接など
不定期に遭遇するイベント系ですね。使う単語や文法のレベルは一気に上がりますが、今はインターネットで調べればフォーマットがたくさん見つかる時代。英語力というよりも検索力さえあればなんとかなってしまうのが実際の印象。
ただこう言った場面でのリスニング力はある程度高くないと誤解が生じる可能性大ですね。例えば口座開設であれば「利息」「小切手」などの単語力が必要になりますし、各種申請ではどの書類の話をされているのかを聞き分ける能力が必要になります。
「英語力」に対する間違ったイメージ
結局のところ、自分が必要だと思っていた英語力と実際に求められる英語力との間にはギャップがありました。自分自身、「英語が話せる」状態に対して行き過ぎた印象を持っていたことと、英語力そのものの本質に気づかされたわけです。
さらには英語を”話す”ことに苦手意識がある人が多いのも事実。私自身もそうでした。私なりの視点で、こういった行き過ぎたイメージを持ってしまう背景や苦手意識に影響を与える背景をまとめます。
背景①:映画英語=日常英語という誤解
日本に住んでいながら自然な英語に触れる機会があるとすれば、真っ先に思いつくのは洋画や海外ドラマではないでしょうか。ジャンルによって使う単語の難しさは違うものの、ネイティブスピーカーの話すスピードはあまりにも速く、「これが聞き取れるレベルじゃないとダメなんじゃないか…」と思ってしまいますよね。
実際に私も英語の勉強をし始めたときは、「子供でも楽しめる映画ならいい教材になるんじゃないか」という勝手な推測からハリーポッターと賢者の石を英語字幕で鑑賞したことがあります。子供の話す英語だからゆっくりで理解しやすいと思いきや、字幕を付けたところで使っている単語が理解できず、そもそも聞き取れもしないという有様でした。
英語に触れる機会が少ないうえ、触れる機会が映画や海外ドラマとなると、映画英語=日常英語と誤解してしまっても無理はないように思います。私自身もそう思っていました。
ただ実際にカナダで生活してみて感じましたが、映画英語は文字通り別世界の言語でした。登場人物同士がテンポよく会話したり、ユーモアを交えながら威嚇しあっていたりしますが、日常で生活するうえでそういった英語は一切必要ありません。
またリスニング力に関しても映画英語を目標値としてしまうのは間違いだと感じます。日常的にあれほどのハイスピードで話すことがあるとすれば、「メニューはお決まりですか?」「お支払はどうしますか?」などの決まりきった会話くらいです。
背景②:受験英語とTOEIC神話
義務教育の中で絶対に避けては通れない英語。高校受験・大学受験でもほぼ確実に求められる教科の一つですね。記憶にある限りではひたすらに単語と文法を覚える、特に不規則動詞や動名詞・不定詞の扱いなどがメインだったように思います。
振り返って思うのは、定期試験や受験の際には「きちんとした文法と単語を使い、模範解答と同じ答えを書いているかどうか」ばかり見られていたように思います。
三単現のSが付いていないから誤答、to不定詞の後に動詞の原形がフォローしていないから誤答など。日本人ですら100%完璧な日本語を話さなくても伝えたいことを伝えることはできるのに、なぜかテストの上では英語に100%を求める仕組み。
TOEICは無意味?
大学生や社会人になってからは英語と聞くとTOEICを思い浮かべる人も多いかと思います。実際に就職・転職活動の際に評価される指標の一つでもありますし、とりあえずTOEIC勉強するかと安直に考えてしまうのも無理はないですよね。
TOEICに関しては賛否両論あると認識しています。「数字で評価されるからモチベーションが上がっていい」「使う単語自体が日常会話からは離れていて現場で生かせない」など。ただ一概にTOEICは意味がある・ないと決めつけることはできないと考えます。
私見ですが、学習ステージによってTOEIC学習の重要度が変わってくると考えています。社会人に出てから全く英語を勉強してこなかった方がイチから勉強しなおすのであれば、(スピーキング・ライティングが無いとはいえ)網羅的に復習できるTOEICは非常に有意義かと思います。
一方で基本的な文法やリスニング力もついてきた方が実用的な英語力をつけたいと思った時には、TOEICは無意味に思います。実際に英語圏の方々と話していると、上述したように本当に簡単な英語を使ってコミュニケーションしていることや難しい単語よりも柔軟な句動詞(例えば、surrender[諦める]とgive in/up)を使うことが圧倒的に多いことに気づかされます。
英語学習を習慣化する段階の方にはTOEICは効果的ですが、その先の自然なコミュニケーションを目指すのであれば無意味と考えます。
少し話がTOEICに脱線してしまいましたが、こうした背景も「英語が苦手だ、私は英語力がない」と思い込んでしまう一つと感じます。逆に言うと、学生時代にセンター試験で英語が何点だったとか、TOEICで高得点を取ったとかということは、英語力があることの証明にはならないと感じます。
背景③:便利すぎるオノマトペ
カナダでいろいろな人と話しをするうちに、自分が言えないことの中には日本のオノマトペが本当に多いなと痛感します。聞こえないはずの音ですらまるで聞こえているかのように表現できる日本語って本当に便利ですね。
- “さらさら(smoothly)”書ける
- 目が”ちかちか(twitch)”する
- 足が”がくがく(wobbly)”する
- “どきどき(pounding/nervous)”してきた など
以前大きなレジャー用品を日本人の友人と一緒に洗う機会があったのですが、その際に「グイっと持って、ザーっと流したら、パパっと終わるでしょ」と何気なく言っていた自分に気づきました。日本人であればこれを聞いた瞬間に「ある程度強い力を入れて持ち上げながら、一気に水をかけて流したら、簡単に終わるんだな」と想像できるかと思います。ただこれを英語で表現しようとすると意外と難しいですよね。
日常的に多くのオノマトペや擬音語・擬態語を駆使して生活している日本人からすると、英語で表現できないもどかしさやイメージの違いが、障壁の一つになっているのではないでしょうか。
結局、何をもって英語力があるというのか
日本で学んできた英語は、大概が外見を整えることで評価されるものでした。しかし実際に英語を使って考えを伝える場面に立つと、美しい文法と小難しい単語を使うことよりも、テンポよく簡潔に伝えることの方が好まれることに気づきます。
じゃあ英語力って結局スピーキング力なのねと片付けてしまうつもりではなくて、むしろもっと土台の部分こそ大事じゃないかと考えています。
伝えたいイメージを細かく分解してから簡単な英単語で組み立てる力、これが個人的に思う英語力です。
非ネイティブで英語力がある人の共通点
非ネイティブスピーカーであっても英語が上手いなと感じるタイプの人は、伝えたいイメージを分解して”簡単な”英単語で組み立てるスピードがものすごく速いです。一文でイメージ全体を伝えようとするのではなく細かい文章で、誰が何をした、誰が何をした、でどうなった、を伝えています。
もちろん使おうと思えば小難しい単語も使えるのでしょうけれど、使う単語は本当に基本的で簡単なものばかり。[take],[get],[up],[off]など誰でも分かる単語をうまく組み合わせています。
言葉それぞれがどんな訳されかたをするかよりも、どんなイメージを持っているのかを深く理解しているんでしょうね。だから母国語で考えなくても簡単な文章を素早く組み立てられる。
このイメージを分解して素早く組み立てられる力が付くと、日常のどんな場面でも伝えたいイメージを伝えることができるようになります。無理に一語で適切な単語を探し出そうとするからどうしてもアウトプットまでに時間がかかってうまく伝えられない。
日本の中で英語を”学習”しようとすると、どうしてもキレイに訳して理解したくなってしまいますよね。そうではなくて、頭の中のイメージを細かい部品に分解して”簡単な”英単語で組み立てるにはどうしたらいいかと考えることの方が、生きた英語力を身に着けるのに役立つと感じます。