あなたはどっちの○○?シリーズ第4弾。今回は、ジャパニーズウイスキーからサントリー角瓶とブラックニッカディープブレンドをチョイス。
どちらも1,500円弱で買えるお手頃なウイスキーで、特に居酒屋で出てくるウイスキーとしては断トツの人気を誇るこの2銘柄。
せっかく買うなら自分に合う一本を選びたい!そんなあなたの声にお応えして、飲み比べてみました。
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ブラックニッカシリーズ直接対決!
甘さが特徴のこの2銘柄ですが、どんな違いがあってどんな飲み方がベストなのか、徹底比較しました。
角瓶とは?
言わずと知れた大ロングセラー、サントリー角瓶。いま日本で巻き起こっているハイボールブームは、この角瓶が加速させたことも有名。
角瓶と言われながらもラベルには「角」の字も入っていないことはお気づきでしょうか。ラベルだけを見ると銘柄名はサントリーウイスキー。もともとは角瓶という名前で売り出したわけではないのですが、四角いボトルと特徴的な亀甲模様が人気を呼び、角瓶として愛されるようになったのだとか。
創業者は鳥井信治郎(1879-1962)。ここで少しこの創業者について触れていきます。
19世紀後半、世の中ではまだ丁稚奉公が存在していたころ、鳥井もとある薬問屋へ奉公に出ていました。その薬問屋で扱われていた洋酒をもとに酒造りを学びだしたことが知られています。
しかし、最初からウイスキー作りに興味を持っていたわけではなく、むしろワインを熱心に学んでいました。非常にアグレッシブで活動的な鳥井は、そこで身につけたノウハウをもとに独立。28歳という若さで大ヒット商品となる「赤玉ポートワイン」を完成させます。
これにより潤沢な資金を得た鳥井は、世界的にもトレンドが広がっていたウイスキー作りに挑戦。ワインよりも費用と時間ともに要するウイスキー作りは、難易度が高すぎると周囲の猛反対に合います。
それでも諦めたくない鳥井。身銭をかなりはたいてでも挑戦をし続けました。そこで初めて完成したウイスキーが「角瓶」・・・ではないんですね。
実は角瓶よりも前に、白札というシングルモルトスコッチウイスキーを彷彿させるようなスモーキーさのウイスキーを開発していました。しかし今とは比べ物にならないくらいウイスキーに対する理解が浅かった当時ではこのスモーキーさが受け入れられず、苦しい滑り出しだったのです。
そこでもあきらめなかった鳥井。日本人に愛されるウイスキーとは何か、日夜研究を続け、ようやく完成したのが今の「角瓶」というわけです。
世界5大ウイスキーのうちの一つ、ジャパニーズウイスキー。その筆頭を走る角瓶には、こうした鳥井の血のにじむような努力があったのですね。
この開発の経緯からも分かる通り、多くの日本人の舌に合う絶妙な配合がされております。もはやどうやって飲んでも美味しい。(ホームメイドの氷ではなく天然水のロックアイスで飲むと、それはそれはとんでもなく甘くてまろやかです。ちょっと贅沢したいときにぜひ。)
ブラックニッカディープブレンドとは?
角瓶と対をなすジャパニーズウイスキーと言えば、やはりニッカシリーズではないでしょうか。最も有名なのは、おそらくブラックニッカクリアですね。安い時には600円台で買えるという代物。まあこれにはスピリッツが配合されているという事情ももちろんありますが。
ただニッカシリーズは安かろう悪かろうではない!ということを証明するかのような一本、それがこのブラックニッカ ディープブレンドです。
角瓶の鳥井信治郎と同様、ブラックニッカにつきましてもその歴史を覗いてみましょう。
今のブラックニッカにつながるルーツを作ったのは、竹鶴政孝(1894-1979)。なんとあの竹鶴がニッカシリーズまで作っていたなんて驚きですよね。
角瓶の鳥井信治郎と同じ時代に生まれた竹鶴。やはりウイスキー作りは一般的ではなく、ウイスキーのみで生計を立てていくのには厳しい時代でした。そこで竹鶴が考えたのが、「ウイスキーが出来上がるまで他の飲み物を売って稼ごう」というものでした。
ウイスキー作りの拠点として選んだ北海道の余市。ここではリンゴが豊富に採れたことから、ウイスキー作りに明け暮れる傍ら、このリンゴを絞ったジュースを売って稼いでいたことが知られています。
この時に創業した会社の名前は大日本果汁株式会社。お察しのいいあなたならお気づきかもしれませんね。「ニッカ」は「大 日(ニッ) 本 果(カ) 汁」から取られています。
竹鶴は、ウイスキーの本場スコットランドで修業を積んでおり、帰国後、実は一時期鳥井らが建てた工場にも迎え入れられています。まさかこの二人が協業するなんて、とてつもなく豪華なコラボレーション。
本場の製法を取り入れ、今では非効率とも言われる伝統的な手法を重んじて作られたニッカ。そうした姿勢も含め、日本だけでなく特に海外から非常に高い評価を得ています。
ブラックニッカディープブレンドを中心にまとめた記事もございますので、良かったらそちらもご覧ください。
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ブラックニッカシリーズのなかでもスモーキーさを楽しめることで知られるディープブレンド。
まさかの1000円台で驚きのクオリティです。
徹底比較!
価格帯や人気度に至るまで似ている点の多いこの2銘柄。ここからは味や香り、レビューに至るまでを比較していきます!
香りや味わいの違い
いつも通り、最初はストレートでいただきます。
サントリー角瓶から。甘いのに甘すぎない!穏やか~といった感じでしょうか。いわゆるスモーキーさというものは感じられない印象です。そりゃあ万人受けするわけだ。
一方、ブラックニッカディープブレンドに関してはほんのりスモーキーさも感じられるのがいいですね。全体感としては角瓶と同じく甘めなのですが、また違った個性があります。
面白いのが香りの違いでした。角瓶は味わいと同じく穏やかな甘さといった印象ですが、逆にブラックニッカディープブレンドは柑橘系を思わせるさわやかな香りです。味わいがわずかにスモーキーなだけ、不思議でした。これはハマるぞ。
おすすめの飲み方
角瓶については言わずもがな、ハイボールとの相性が抜群です。抜群すぎます。ホームメイドの氷ではなく天然水のロックアイスで飲むと、それはそれはとんでもなく甘くてまろやかです。ちょっと贅沢したいときには、+100円でロックアイスにしましょう。
一方、ブラックニッカディープブレンドも同様にハイボールも美味しいです。またこちらに関しては水割りもGood。なんせ加水すると柑橘系のさわやかな香りが広がるので、割るときすらも楽しめます。
レビュー比較
さて各種ECサイトに投稿されているレビューはどうでしょうか。それぞれ見比べてみましょう。まずはサントリー角瓶からです。
どんな食事にもあう万能なアイテムです。旦那さんがいつもハイボールを作ってくれますが、
レモンピール入れておいしくいただいてます
そうなんです、どんな食事にも合うんですよね。レモンピールを入れると草っぽい香りも薄まりますので、初めてウイスキーに挑戦!という方にもおすすめです。
さて、続いてはブラックニッカディープブレンドです。
一度掴まれたらなかなか抜け出せない、そんなファン続出の一本です。常時飲んでいらっしゃるというのもすごいですね…笑
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ロックから水割りまでぶれない甘さが特徴。
バラエティ豊かに楽しめる一本ですがぜひロックで!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本人なら誰でも知っている2銘柄を比較してみました。穏やかな甘さで老若男女問わず楽しめる角瓶は、一家に一本、普段飲み用に。一方、さわやかな柑橘系の香りとほんのりスモーキーが楽しめるブラックニッカディープブレンドは、たまの贅沢用に。
ぜひ素敵なウイスキーライフをお楽しみください。